今回の案件は、加速度センサーをゴーグルに取りつけるための専用ケースのデザイン&3Dプリントでございます。
ゴーグルにセンサーを取り付けるといっても、ゴーグルは曲面で構成されているため、センサーを取り付けるような平面はなく、条件として
・ゴーグルに固定されて動かないこと
・ゴーグルからケースの着脱ができて、何回取り付けても同じ位置に取り付けが可能であること
・ケースの中でセンサーが動かないこと
という条件がありました。
まずはSolidWorksを使って専用ケースをモデリング。ゴーグルの右側フレームに取り付けられるようにデザインしました。フレームとの接続部分は3回の改良をと3Dプリントを繰り返し、この形状に決まりました。最初はFDMの3Dプリントで形状を見て、本番は光造形で3Dプリント。
ケースを光造形でプリントして、マッドブラックのサーフェイサーで塗装しました。
今回は本体とフタの2ピース構成で製作。
条件としてケース内部でセンサーが動いてはならないため、少しキツめにケース内部に入る絶妙な寸法設計にしてあります。
キツめに設計すると、ケースからセンサーが抜けなくなりますが、下にエジェクター用の穴を設けてあるため、柔らかい棒を下から挿せば簡単にセンサーを取り外しできる構造になっております。
ケース内部にセンサーを入れてフタを締めた状態。
一応PCと接続するケーブルコネクターの抜き差しもできるようにしてみました。
センサーをゴーグルに取り付けた状態
前述の通り、フレーム部分には平面や固定された寸法が無いため、現物合わせのトライアンドエラーを何回も繰り返し、接続部分のツメがフレームに合致するまで何度も形状を改良しました。
完成品のケースをクライアント様へ納品しましたが、問題点があり、ケースの重みでゴーグル全体の平行が保てなかったのです。
そこで余分な肉を削ぎ取り、肉厚も減らし、フタも無くした、新たなモデルをデザインしました。
軽量化を突き詰めた結果、塗装すらも行わず、改良前21グラムあったケースが、改良後に7グラムまで軽量化することができました。
肉厚を薄くして、余分な肉を削ぎ取ると、強度が心配ですが、最低限の強度を持たせた設計になっておりますので、今回クライアント様が行う実験では十分な強度があるはずです。
昨今センシング技術の発達によって様々なセンサーを、様々な器具に取り付けることが多くなりますが、弊社では経験豊富なエンジニアが、どのような形状であっても、対象物にフィットするケースやアダプターをデザインし、3Dプリントして納品することができます。お気軽にお問い合わせくださいませ。