きっかけはロートスタンドに溜まったレジン
弊社では光造形機の段取りの際に、ロート(じょうご)を使ってレジンバット中のレジンをボトルに移動します。使用後のロートにはレジンが付着しているため、そのまま置いておくと下にレジンが垂れてしまうため、ロートスタンドを3Dプリンターで自作して、ロートから垂れるレジンをキャッチしておりました。スタンドに溜まったレジンは定期的にストレーナーで不純物を取り除き、回収再利用しておりました。
このレジンスタンドを最初に作ったのが2021年12月でした、それから月日が経ち2年2ヶ月後2024年2月に、スタンドが座屈していることを確認しました。実はその2ヶ月位前から、元々硬かったレジンロートの側面、特にレジンに当たっている部分の外側のABS樹脂がふにゃふにゃに柔らかくなっていることを確認していました。
もちろん側面のみならず底面も元々2mm程度の厚みがあったのに今や0.5mmもないようで、指で押すと穴が開いてレジンが漏れてきそうな勢いです。内側でレジンが溜まっている部分だけが脆弱化しているだけで、レジンが溜まっていない部分(上の方)は元々のABS樹脂の強度そのままです。
新たに作り直しました
上記の通りロートスタンドが座屈してしまったため、新しいロートスタンドを3Dプリントしました。
従来のロートスタンドでは下にたまるレジン容積が小さかったため、今回は高さを増加しレジン容積を増やしました。これでまた2年くらいは使えるかと思います。
化学的原因はあるんだろうけど
今回の光硬化樹脂UVレジンが、ABS樹脂を溶かすという現象を軽くネットで調べてみたいのですが、全くヒットしませんでしたので、この現象は新発見なのかもしれません。再現実験するにしても2年の歳月がかかりますし、原因がわかったところで何の約にも立たないのですが、恐らく化学的な反応でレジンがABSを溶かしていることは推察できます。どなたか化学に詳しい方いらっしゃいましたら、仮説をご教授いただけましたら幸いでございます。