熱溶解積層方式3Dプリンター夏の熱対策

熱溶解積層方式3Dプリンター夏の熱対策

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今年の5月に導入した弊社4号機となるMF-1000(MF-1050も含む)ですが、ヒーテッドベッドの性能も良く、温度の上がり方が早いし、ピーク温度も高く非常に優秀な3Dプリンターです。

とある時に造形中にZが上昇せず3Dが継続されるトラブルが発生し、基板のオーバーヒートを疑いました。実はこのトラブル先代の1号機でも発生しており、原因についてはある程度の予測はしておりました。寒い北海道の冬ですらオーバーヒートの症状が出たくらいなので、夏の環境は条件としては最悪です。

写真奥のスチールカバーが触れないくらいの熱さになります。ちなみにこのスチールカバー自体に基板が取り付けられているわけではなく、その奥にあるベースのスチールに基板が固定されており、写真で見えるカバーは単にフタをしているだけになります。そんなフタが熱くなるくらいですから、基板本体の熱は相当なものだと推測できます。

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そこで今回はスチールカバーを冷却しつつ、カバー内部の基板に直接風を当てて冷却を行うべく、冷却ファンとヒートシンクを導入することにしました。ヒートシンク用の両面テープを貼り付け

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スチールカバーに等間隔に貼り付けしました。今回は正面方向のみ貼り付けておりますが、側面などに貼り付けて、放熱の表面積を稼ぐのもありかと思います。

写真を見ておわかりの通り、下は穴が開いているため、空気を送り込むことができます。

問題は上に穴がないため空気が抜けません。途中電源ケーブルと通信ケーブルの穴があるので、そこから空気が抜けてくれます。

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冬場は作業場が1℃程度まで寒くなるため、3Dプリンターの庫内を逆に温めるくらいの感じで、特に熱溶解積層方式ではABSしか使わない弊社は、温めることを重視してきました。しかし今回の4号機はヒーテッドベッドの性能が良く、庫内を温める必要もそれほどなく、夏は基板保護を優先して今回の冷却改造を行いました。

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冷却ファンですが、別案件で余っていた120mm12Vファンを昇圧器付きUSB接続で動かしてみるべく、オリジナルケースを3Dプリントして作って見たものの、120mmだと大きすぎて、基板とヒートシンクの範囲を超え、ヒーテッドベッドにまで風が当たってしまい、ボツとなりました。もしファンを使うならば80mm程度のものがちょうど良いかも知れませんので、3号機用の冷却には、80mmファンもしくは、バッテリー内臓の薄型扇風機を取り付けたいと思います。