絶版ホイールセンターキャップ再生プロジェクト

絶版ホイールセンターキャップ再生プロジェクト

2022年最初のビジネスブログは、8年程前にも製造した絶版ホイールセンターキャップの再生3Dプリントです。8年前は熱溶解積層方式による3Dプリントが主流でしたが、現在は技術の進化と特許切れの関係で、UVレジンレジンを用いた3Dプリントが主流ですので、表面の仕上がりも比較にならないくらい綺麗に仕上がっております。

今回ご依頼いただいた複製元のセンターキャップ写真でございます。一般的な射出成型で製造されたセンターキャップで、爪が1箇所割れている感じです。車1台分4個製作します。センターのロゴや色までは再現しなく、形状だけの再現をご依頼いただきました。

早速SolidWorksで形状をモデリングしていきます。3Dプリント品で大切なところは、嵌合精度ですので、外径やツメ部分の精度が重要です。そこでUVレジンの二次硬化後の収縮を加味したり、ツメの強度を出すために、お客様とお打ち合わせして、相手側に干渉しないようにツメの厚みを増して強度を高めます。全体的な肉厚の計測、R計測など正確に形状をトレースしていきます。

モデリング完了後に光造形用のスライスデータを作成します。ラフトとサポートを立てて、各種造形条件を整えて、光造形を行います。物がそれなりに大きいですが、PHENOM Lを使えば、2個同時造形が可能です。

光造形完了後、サポートとラフトが付いた状態で重さを計測してみました。サポートとラフトで50%くらいの重量がありそうな勢いです。この後IPA洗浄を行って、表面をサンドペーパーで整えます。

表面研磨後、サーフェイサーを塗装しました。サフを吹くことで更に表面が整います。#500でも#1000どちらでも整います。

裏側にはサポートの痕が残りますが、裏側になるので製品的にはこれで問題ありません。ペーパーで研磨すればある程度は綺麗に滑らかになります。ツメは二次硬化後だと弾力性がないため、折れる可能性もあり、ツメの強度に関しましては保証しかねます。

ホイールセンターキャップに限らず弊社では絶版品などの再生を3Dプリントで行っておりますので、お気軽にお問い合わせください。

今回はお客様のご希望でサーフェイサー仕上げでしたが、ご希望の塗料番号(タミヤ・クレオス・ガイアノーツ)をご指定いただければ、塗装することも可能でございます。