コンシューマでも購入可能な大判光造形3Dプリンター5選
コンシューマでも購入可能な大判光造形3Dプリンター5選

コンシューマでも購入可能な大判光造形3Dプリンター5選

Peopoly一強の大判光造形

今回は弊社で使用しているPeopoly社の大判光造形3Dプリンター以外に、コンシューマでも購入可能な大判光造形3Dプリンターがあるのかを調べてみました。
「コンシューマでも購入可能」という意味は、大手商社が提供するような数百万円~数千万円の価格帯で年間保守契約数百万円といった、一般では購入不可能な3Dプリンターを除外するという意味です。

調査にはAI(ChatGPT)を使用しました。

今回はChatGPTに「Peopoly Phenomシリーズのような 大判MSLA 3Dプリンターは他のメーカーでも販売しているのでしょうか?」と質問を投げかけてみました。

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Yが298mmもあって、価格が12万円~なんてもしこれが本当ならこのプリンターベストセラーになりそうです。

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画像出典:エイヤード

Anycubic Photon M3の販売サイトを確認してみますと

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Anycubic Photon M3のスペック

予測通りYは164mmです。そこでAIにAnycubic Photon M3 Maxの造形範囲について間違いを指摘してみました。

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間違いを認めて、正式な回答をしてくれました。

リフトアップ式MSLA大判光造形3DプリンターはなぜY軸造形範囲が狭くなるのか?

過去のブログでも何度も書いておりますが、リフトアップ式MSLA大判光造形3Dプリンターの場合、Y軸範囲がXZ軸と比較して狭くなりがちです。
この理由はビルドプレートを固定するメインアームの強度がY軸の大きさに比例して必要になるからです。
メインアームが片持構造であるため、テコの原理により、アームが長くなるほど負荷が大きくなります。(Y軸範囲が広くなれば広くなるほど)

このテコの原理の力を具体的に説明すると、造形中にFEPフィルムから造形物がリフトアップして、剥離時に、筒状のものでは真空圧力、面状のものでは面に対する接着圧を剥がそうとする力は、テコの腕の長さが長くなれば長くなるほど強力になります。そしてこの剥がす力がビルドプレートを支えるメインアームの強度限界または剛性の限界であり、Z軸モーターとリニアガイドに大きな負荷になります。

Y軸造形範囲が狭い問題を解決する方法はあるのか?

メーカーもこの問題に既に取り組んでおり、Y軸の対策としてZ軸の剛性と安定性を高くしています。例えばPeopoly社であれば、メタルフレームとデュアルZリニアレールを採用、Anycubic社は高剛性二本支柱構造を採用、Elegoo社はダブルZ軸リニアレール+スチールフレーム採用、Phrozen社はリニアガイド+スチール支柱+強化Z軸アームして、剛性と安定性を高くしています。
しかし結局の所Y軸はXZ軸ほどは広くならず、Y軸造形範囲は狭いのが現状です。

そこでAIに「机上の空論でも構いませんのでこの問題に対する解決策はありますか?」と聞いてみました。
すると解決策を4つ提案してくれ、

1つ目はダブルアーム(従来の片持ではなく両持ちアーム)構造にする方法です、確かに両持ちにすれば片持時と比較してモーメント負荷はかなり抑えられます。この構造は門型構造と言えばイメージしやすいかもしれません。デメリットは構造が大きくなり、重量とコストが増加してしまうというところです。

2つ目はFEPフィルムからの剥離を、端から徐々に行うよう傾けて剥がす機構です。結局のところこの剥離の接着圧がZ軸に負荷をかけて結果Y軸造形範囲を広くできないわけですから、剥離を小さな力で行うことができれば、Y軸造形範囲を広くすることができます。実は一部のハイエンド機では既に実装されているようです。

3つ目は剥離時にFEPフィルム裏に空気圧を加えて造形物を剥がれやすくするエアーブロー剥離補助方式です。どれくらいの空気圧をかけるのかは不明ですが、FEPフィルムはレジンバットに対して強い張力を保った状態で取り付けられていますが、剥離のたびに空気圧を加えても、この張力を保てるのかは不明です。

4つ目はビルドプレートの自動水平制御機構の搭載。片持アームで撓んで斜めになってしまうビルドプレートをアクティブに水平に補正する機構を搭載するようですが、どのように補正するかの具体的な機構に関する説明は特にありませんでした。

いずれにしても、様々な問題があってY軸造形範囲を広くする事ができないのが現在のリフトアップ式MSLA大判光造形3Dプリンターの弱点となります。

本題のコンシューマでも購入可能な大判光造形3Dプリンター5選

1.Peopoly Phenom L
造形サイズ:X345.6mm×Y194.4×Z400.0
解像度:4K
価格:約35万円~
特徴:大判3Dプリンターの定番、超大判のPhenom XXL2(X527mm×Y296mm×Z550mm)もあり。

2. Elegoo Jupiter/Jupiter SE
造形サイズ:X277mm×Y156mm×Z300mm
解像度:6K
価格:10~13万円前後(SE)
特徴:Peopoly Phenomより安価。自動レベリング、レジンフィード機構など使いやすさ重視。

3. Anycubic Photon M3 Max
造形サイズ:X298mm×Y164mm×300mm
解像度:7K
価格:10~14万円前後
特徴:自動レジン補給機能付き。

4. Phrozen Sonic Mega 8K/8K S
造形サイズ:X330mm×Y185mm×Z400mm
解像度:8K
価格:18~30万円前後(Sは廉価版)
特徴:解像度と造形サイズのバランスが最強クラス。

5. Creality HALOT-MAGE PRO/MAGE CLARITY
造形サイズ:X228mm×Y128mm×Z230 mm(PRO)
解像度:8K
価格:10~12万円前後
特徴:速度に特化(最大170mm/h)Creality Cloudによる遠隔制御可能。大判というより「中型」

そんな中でY軸造形範囲が194.4mmもあるPeopoly Phenom L

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画像出典:Peopoly

ここまで見てきた通り、各社Y軸造形範囲を広くするために様々な対策をしておりますが、その中でもトップクラスのY軸造形範囲を誇るPeopoly Phenom Lはとても優秀な3Dプリンターだと思います。解像度では他機種に劣るかもしれませんが、MSLA光造形において4Kの解像度は十分かと思います。特にPeopoly Phenom Lでは大きな造形物を3Dプリントすることを想定しているため、4Kの解像度で十分といえるでしょう。

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更に上のクラスを見ればPeopoly Phenom XXL V2の造形範囲はX527mm×Y296mm×Z550mmという驚異的な造形範囲を誇ります。

弊社ではPeopoly社Phenomシリーズの販売を行っています

弊社ではPeopoly Phenomシリーズ全機種の販売を行っています。弊社でも2020年からPhenomシリーズ3Dプリンターを複数台導入し、3Dプリントサービスを行っております。
大判光造形3Dプリンターを導入したいけど、大手が販売している数百万数千万円クラスの光造形機は高価すぎて導入できない。年間高額な保守契約を結びたくないという企業様にピッタリです。
弊社からPeopoly Phenomシリーズ3Dプリンターをご購入いただきますと、光造形の段取りに必要な全ての道具もご用意いたします。また光造形3Dプリントで重要なパラメーターなどのノウハウが詰め込まれた使い方講習(オプション)もご提供可能です。スライサーソフトなどのセットアップも行いますので、導入したその日から光造形3Dプリントができる状態にいたします。

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