3Dプリンターのノズル径ちゃんと把握しておりますか?

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弊社が使用している熱溶解積層法式3Dプリンターの1つムトーエンジニアリングのMF1050、この3Dプリンターはフィラメント径を3.00mmと1.75mmのどちらも使えるのですが、ヘッドノズルセンブリ交換が必要となってきます。それが写真の物なのですが、現在メーカーのホームページにこのノズルのノズル径が表記されておりません。以前のホームページにはノズル径が記載されていたような気がしますが、デフォルトで装着されているφ3.00mmフィラメント用のノズルはノズル径がφ0.5mmでした。
昨今弊社ではフィラメントのφ1.75mm化を進めておりまして、先日新規でメーカー純正のφ1.75用ノズルを2個ほど購入致しました。

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取り付け時に色々とトラブルが発生しまして、これは別途ブログで報告致します。自社にあるパーツを駆使してなんとか取り付きました。

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そして3Dプリントしたのがこちらの写真。左が従来のノズルで3Dプリントしていたこれまでの品物、右側が新しいノズルで3Dプリントした全く同じ物。
明らかに新しいノズルの方が表面が汚く精度が悪いのです。

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裏側も全く同じ状態で、本来綺麗に樹脂が充填されるべき所に隙間ができており、重量計測でも約10%程度の樹脂が充填されていないことがわかりました。スライサー側で吐出量を調整して多めに出しても結果は全く同じでした。
弊社ではフィラメント径φ3.00mm用φ1.75用ともに、ノズル径はφ0.5mmという先入観を持って考えていたのですが、これが間違いでした。

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ebay上で出品されている同ノズルを発見し、その品名を見て驚きました。なんとノズル径が0.4mmなのです。
試しにテストパージを行いφ0.5mmのノズルから出たサンプルと、新ノズルから出たサンプルをノギスで計測してみたところ、ちょうどφ0.1の差が出ました。つまり新ノズルはφ0.4のノズル径だったのです。
しかもこのノズル径スペックについては意地悪なことにムトーエンジニアリングホームページに一切記載されておりません。
その後スライサー側でノズル径設定を0.4mmにした所、正常に3Dプリントすることに成功。しかしφ0.5と比較して3Dプリントは遅く、時間単価的に採算性が悪いため、細かな造形が必要な時に0.4mmノズルを採用し、通常は0.5mmノズルを使用することにします。0.4mmノズルは、0.5mmのドリルを入れるだけで簡単に0.5mm化します。幸か不幸か一長一短あるφ0.4mmノズルでしたが、ちゃんとノズル径を把握しておくことは、効率良い3Dプリントや高精度な3Dプリントを実現する上でとても重要なことです。