配線接続部保護カバー作成

配線接続部保護カバー作成

とある工業デザイン案件で、内部に入れる機械部品とACアダプターの配線をハンダで接続することになり、接続部分が露出してしまう状態になりました。

水回り部品ということで、水をかぶる可能性もあり、配線むき出しは良くないため、3Dプリンターで即席ケースを作ることにしました。

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通常こうした配線は収縮チューブや絶縁テープで被覆すれば良いだけの話なのですが、今回はACアダプターと機械部品どちらかが故障した場合に簡単に交換できるように配線は取り外しできる状態でなければなりません。

更にハンダ接続部分が弱いので、双方の電気配線を引っ張ってもハンダ部分に力が加わらないような配慮が必要です。

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弊社はこうした電気電子部品の筐体デザイン製作を得意としている会社ですので、SolidWorksを用いてサクッとデザインしました。金型で大量生産する場合は抜き勾配など大量生産設計を入れますが、3Dプリントの場合はそれが不要なのでデザインも早いです。まさにアジャイルデザイン。

上下二分割のオーソドックスなデザインで上下はネジと六角ナットで固定します。

熱溶解積層方式の3Dプリンターで2時間強で完成。軽量で実用に十分な強度もあります。

ケーブルは入口出口でそれぞれ太さが違うため、ケーブル径に合わせた専用設計ができるのが便利です。

金型を作れば150万円~200万円はしてもおかしくありませんが、3Dプリンターは金型が不要なのでリーズナブルです。

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今回のケースの特徴は、双方のケーブルを引っ張っても、内部の脆弱な部分に一切ストレスがかからないことです。
加えて外側にはケーブルを保護するための縁取を付けてケーブルの断線も防ぎます。
ケースに接続部分が入ることにより、水がかかってもショートせず、ACアダプターまたは機械側が壊れても、壊れた部品だけ交換できるように、配線接続部分は簡単に取り外しできるようにしました。

弊社ではこうした簡単な配線カバーや内部に複雑な電子基板や電子部品が入る筐体設計を得意としておりますので、専用ケースなどのご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。