長時間使用していると消耗するFEPフィルム
先日MARS 3Dプリンターでとあるケースを3Dプリントしていると、まったく同じ場所で造形不良を起こす現象が始まり、その造形不良が回数を重ねる毎にだんだんと酷くなっていきました。造形不良とは、造形物に穴が開いてしまう症状で、おそらくその場所にだけUVが当たっていないと推察。FEPフィルムに触ってみると、どうしても取れない異物感があり、FEPフィルモもかなり消耗して白っぽくなっていたので、FEPフィルムを交換してみることにしました。
レジンタンクからレジンを抜いてみると、患部が現れてきました。ここから下のLCD表面にUVレジンレジンが漏れ出し硬化しておりました。
硬化したUVレジンはFEPフィルム側だけではなく、LCD側にも付着しており、LCD側は洗剤で簡単に除去できました。
交換手順は簡単だけど手間がかかる
今回交換に使用するFEPフィルムはELEGOO社純正のFEPフィルムです。2枚入り、5枚入りがラインナップされていますので、気軽に交換ができます。
ELEGOO社製MARS用純正FEPフィルム(5枚入り)Amazon
FEPフィルム交換が面倒な人はレジンタンクごと購入も可能
MARS用レジンタンク(2個セット)Amazon
説明通りレジンタンクをバラし、FEPフィルムを取り外しました。取り外したFEPフィルムはまるでシート成形で作られた成形品のように凹凸がありますが、新品のFEPフィルムは平面であり、凹凸はありません。つまりこの凹凸はボルトを締め込むことによる張力によって引き伸ばされています。そしてネジを締め込むことによってFEPフィルムがガスケットの役割になり、レジンがタンクからもれないような構造になっております。
張り替えると蘇る
FEPフィルムは使えば使うほど表面に造形時の凸凹痕が残り、次の3Dプリント品の表面に転写される場合もありますので、ある程度使い込んだら交換をおすすめします。
ボルトの締め込みは、同一方向からではなく、対角状に締めていき、できるだけ全体的に力が均一にかかるように締め込みました。
あと、FEPフィルムにはボルトの逃し穴が一切開いていないため、普通にボルトを入れても入りませんので、FEPフィルムにドリルで穴あけを施してからボルトを通しました。2枚重ねのフレームにFEPフィルムをサンドイッチした時点ではFEPフィルムに多少のたわみがありますが、レジンタンク本体に締め付けると、フィルム全体が引っ張られて、たわみがなく、平らな表面に矯正されます。
交換の際は2.5mmと2.0mmの六角レンチが必要になります。光造形3Dプリンターをお持ちの方は是非劣化したFEPフィルムを交換してみてください。