今回も3D関連のお話から脱線し、塗装関連の話になります。最近、塗装関係のブログが増え、今後も塗装関連の話題をブログにすることがあるかと思いますので、新しく「塗装」のブログカテゴリーを追加しました。
今回は塗装で重要ツールである、エアーコンプレッサーを買い替えた話になります。
新型コンプレッサー導入の経緯
これまで使用してきたコンプレッサーは12年程前に購入した、1馬力30Lタンク、毎分48Lの吐出量のものです。少々のエアブローやタイヤの空気を入れるのには十分ですが、塗装には全く使えないスペックです。塗装には最低でも倍の吐出量が必要とのこと。これまでエア供給が追いつかず、塗装中もエアがたまるのを待つという無駄な時間が発生。待てば良い場合は良いのですが、一部の種類の塗装の場合は時間との戦いがあり、正直良い仕上がりにならないため、吐出量の多いコンプレッサー導入は必須になりました。そこで今回2馬力1700W、吐出量毎分180Lのコンプレッサーを導入する運びとなりました。
しかも昨今のコンプレッサーは静音タイプが当たり前のようで、オイルレスは同じですがピストン数は1ピストンから4ピストンになり、静かに爆速でエア圧が上昇するとのこと。まずは到着後のインプレッションをしていきたいと思います。
企業は200Vのコンプレッサーを使うのが一般的ですが、弊社はプライベーター目線で100Vという制限下で機器を揃えることをコンセプトとしております。
新型コンプレッサー到着&組み立て
外装ダンボールに「最新型」と書いてあるところが何とも言えません(笑)重さが38kgなので非常に重たいです。説明書は付属していますが、タイヤなどの組み立て説明は一切なしです。しかし入っている部品を見れば組み立て方は想像できますし、間違えようのない構成になっているので特に問題なし。コイル状のエアーホースやエアーガン、作業ゴーグル、謎の手袋も付属しております。
新旧スペック比較
新型(ONE STEP エアーコンプレッサー40L)スペック
出力:1700W
タンク容量:40L
空気吐出量:180L/min(恐らく60Hz、何Mpa時かは不明)
最高圧力:0.8Mpa
サイズ:幅700mm×高さ650mm×奥行き300mm(奥行きはもっとある気がする)
重量:38kg
旧型(藤原産業 SK11 SR-102)スペック
出力:750W
タンク容量:30L
空気吐出量:48L/min(50Hz、0.6MPa時)55L/min(60Hz、0.6MPa時)
最高圧力:0.8Mpa(実際は0.75Mpaくらい)
サイズ:幅670mm×高さ590mm×奥行き340mm
重量:26kg
実際の消費電力はどれくらいか
まず心配なのは消費電力でカタログには850W×2と記載されており単純に1700Wあるのか、もし本当に1700Wの場合15A対応品ではスペック不足になってしまうので、実際にワットモニターと接続して検証してみました。実はワットモニター自体が15A1500Wまで対応なのです(笑)
検証してみると起動からエアー満タンまでの最大ワット数は1392Wでした。約1400Wです。使用しているエリアが50Hzというのが理由かと思います。一応作業エリアのヒューズは20Aあるので、他の機械特に3Dプリンターを複数台稼働しているときなど、20Aの範囲内で収まっているか、気にする必要があります。コンプレッサーとFDMタイプ3Dプリンター2台と塗装ブースのファンを回してギリギリってところでしょうか。冬は暖房も使いますし、天井照明の消費電力も加味すると、FDMは1台が無難かもしれません。とはいえ新型コンプレッサーは爆速でエアーがたまるので、同時に消費電力が大きくなることはあまりないような気がします。スプレーガン塗装を連続で行うときに、気を付ければ良さそうな感じです。
皆さんが気になる動作音
単刀直入に言いますと、びっくりするくらい静かで驚きます。しかしこれは従来の爆音コンプレッサーを12年愛用した人の感想であり、初めて購入するコンプレッサーが今回のコンプレッサーであった場合、その人にとってはこの静かな音がうるさく感じることもあるかと思います。しかし元々使用していた藤原産業のSR-102が爆音うるさすぎて、新型コンプレッサーの起動音が静かに感じてしまいます。
作業場で使用しているBluetoothスピーカーの音量大をすべてかき消していた旧型コンプレッサーですが、新型コンプレッサーはBluetoothスピーカーの音がちゃんと聞こえますし、何ならiPhoneのスピーカーの音すらも聞こえそうな感じです。
塗装での連続使用
塗装では0.10~0.25Mpaで5分10分連続使用などは普通ですので、実際のスプレーガンで連続でエアーを噴射してみました。ある程度タンク内のエアー圧が下がるとコンプレッサーは再起動しますが、エアー供給は十分追いついており、スプレーガン噴射中でもコンプレッサーは再び停止します。つまりスプレーガン噴射でエアーが出続けているのにも関わらず、圧縮される空気量の方が圧倒的に多く、タンクが満タンになるということです。これであれば塗装中にエアーの息切れ現象もなく、一定の圧力で塗装することができます。
旧型コンプレッサー藤原産業SR-102はヤフオクへ
旧型コンプレッサーは音はうるさいものの、まだまだ使えそうですので、ヤフオクへ出品しました。12年前に購入したコンプレッサーではありますが、同じモデルは今でも販売しているようです。12年前当時と比較すればお値段が倍くらいになっていますが、ロングセラー商品ってことですね。処分価格+送料で出品したためすぐに入札が入り売却することができました。
エアーコンプレッサーを最新式に交換してみて
今回は12年使用したコンプレッサーを最新式のコンプレッサーに更新しました。これまでこれが普通だと思っていたエアーコンプレッサーでしたが、最新式はコストパフォマンス良く、供給量、静音性双方が劇的に進化していると感じました。比較ができなかったので、爆音で非力なコンプレッサーを使用しているという自覚はありませんでしたが、最新式を使うことにより、改めてこれまでのエアーコンプレッサーが爆音で非力であることを改めて痛感しました。最新式エアーコンプレッサーの静音性と供給量の多さにより塗装のしやすさが劇的に変わりました。塗装中に息切れしないという恩恵、そして物凄いストレスだった爆音、塗装中は何度も何度も起動するのでそのストレスの蓄積は計り知れません。
もし昔ながらの非力な爆音&非力エアーコンプレッサーをご使用の方には最新式の静音かつ供給量の多いコンプレッサーをおすすめします。今回弊社が導入したエアーコンプレッサーは2馬力でしたが、1馬力で供給量も多く静音なエアーコンプレッサーも各メーカーからリリースされております。