1年ほど前から導入をしようと思っていた高機能3Dプリンター用スライサー「Simplify 3D」ついに弊社でも導入致しました。
これまでのスライサーは精度があまり良くない「Slic3r」と、高精度に物を3Dプリントできる「KISSlicer」の2種類を案件ごとに使い分けていました。どちらもサポートの除去は困難であるため、サポート除去に定評があるSimplify3Dの導入に至ったわけです。
今日のビジネスブログはSimplify3Dの驚くべきサポート除去しやすさを紹介したいと思います。
Simplify3Dは公式サイトからも149USドルで購入することが可能ですが、今回はいつもお世話になっているGenkei社ECサイトから購入することにしました。
Genkei社から購入するメリットは、Genkei社から発売されている3Dプリンター用設定データとSimplify3Dの使い方PDFマニュアルが本体ソフトウェアとセットになっているところです。
ちなみに、Simplify3D公式ではムトーエンジニアリングの3Dプリンターはサポートしておりませんが、RepRap系であれば登録されていない3Dプリンターでも使用可能です。実際弊社ではムトーエンジニアリング社製MF-1050でSimplify3Dを使用した3Dプリントに成功しております。
そしてGenkeiの加藤さんが優しく解説してくれるSimplify3D解説動画が多数YouTubeで公開されています。小さな文字の英語だらけでビギナーには難易度が高いように思えますが、この解説動画を見たら30分であなたもSimplify3Dが使えるようになります。
とは言えSimplify3Dの設定項目は本当に幅が広く、動画でも解説されていないような項目がたくさんあります。エキサイト翻訳との戦いでした(笑)Simplify3Dを使い始めて初日にはテストプリントを行い、最初はドキドキですが設定はバッチリだったようで、思い通りに動いてくれました。写真のようにNSXコンセプトをKISSlicerを使って3Dプリントした後、全く同じモデルを使ってSimplify3Dでも3Dプリントしてサポート除去を比較しました。
NSXはフリー素材が多くアップロードされているThingiverseサイトから簡単にダウンロードできます。
http://www.thingiverse.com/thing:525657
まずはKISSlicerでスライス。充填密度は20%、積層ピッチは0.25mm、たまたま3DプリンターがABS専用機になっているため、ABS樹脂にて3Dプリント。
オーバーハング形状が各所にあるため、サポートを立てまくっております。サポートの設定はラフモードで、オーバーハング角度は45度設定です。
次にSimplify3Dでの設定です。充填密度は10%、積層ピッチは0.25mm、同じくABSを使った3Dプリントです。サポートの設定はさすが幅が広く、今回はシンプルに推奨設定+αといった感じです。サポートの細かさを細くしました。
Simplify3Dの凄い所はサポートをプレビューできて、自分で追加したい所に好きなだけサポートを追加したり削除したりできます。
こちらはKISSlicerで作成したデータから3DプリントしたNSXです。
とにかくサポートは取りづらく、除去するだけで2時間近くかかってしまいました。結局完全に除去できず。
こちらはSimplify3Dで作成したデータから3DプリントしたNSXです。
ヒーテッドベッドとの密着性を良くするためにラフトを1枚敷きました。
左:KISSlicer、右:Simplify3D
外観的にはほぼ遜色ない感じです。等高線の入り方もほとんど同じように見えます。
左:KISSlicer、右:Simplify3D
しかしサポート除去性能には大きな差がでました。KISSlicerはサポートの除去に2時間を要し、結局完全には除去できず中途半端な状態に。一方Simplify3Dは10分ほどで綺麗にサポートを除去できました。剥がした所も綺麗なのが嬉しいですね。
では動画でサポート除去の様子を御覧ください。この程度のサポートなら秒殺です。