不気味なハロウィングッズの3Dプリント

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あと2週間でハロウィンということで、弊社でも色々なハロウィングッズの3Dプリントに挑戦しております。
今回3Dプリントしたのは髑髏(しゃれこうべ)しかも表面に細かな装飾が施された手の込んだ作品です。
表面が繊細ということでノズル径は0.25mmまで絞り、積層ピッチも同じく0.25mmで造形してみました。
中身を空洞にすると頭頂部が支持されなくなる恐れがありますので、内部の密度は0.1(1が100%)の設定で造形。
見事に完成しました。
しかし、夜な夜な髑髏を造形していると、真っ暗闇の中ライトに照らされている髑髏はなんとも不気味です(^_^;)

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調子に乗って白いフィラメントに交換して白バージョンも作ってみましたが、実は白バージョンは完成までに多くの苦労がありました。

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3回失敗して4回目で成功でした。推定10メートルのフィラメントは無駄にしてしまいました。

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最初の失敗は単に造形テーブルとの接着面積が少ないためだと思い、縁取りを10mm幅で追加して再造形。

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縁取りを付けて接着面積を稼いでも全く効果が出ませんでした。そこで今度は造形テーブルの設定温度を高温に設定してみました。
通常PLAでの造形時のテーブル温度は55度です。今回は80度まで上げてポリイミドテープとPLA樹脂の接着性を良くしようと試みました。

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しかしこれも失敗に終わりました。こんなケースは初めてです。
原因は、ノズル径を0.25mmまで絞ると、第1層目の接着面密度が低くなりポリイミドテープとうまくくっつかない事です。0.5mmのノズル径ではこのような問題は一切ありません。
ではなぜノズル径を0.5mmにして積層ピッチを0.25mmにしないのか?それには理由があり、ノズル系を細くした方が、オーバーハング形状に対して垂れが少ない傾向にあるからです。
今回の髑髏は特に頬の部分や目の部分に厳しいオーバーハング形状があり、ここをうまく克服するためにあえて0.25mmのノズル径を設定しております。

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苦肉の策としてポリイミドテープに接着剤を塗ることにしました。これはCubeXなどでは当たり前のように使われる手法ですが、通常ポリイミドテープ方式には接着剤は皆無です。
今回使用したのは接着剤の中でも強力で信頼性の高い木工用ボンドです。これは過去にCubeXでの造形で検証済みです。

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もちろんMF-1050はテーブルにヒーターが入っているため、速攻で乾燥してしまいますが効果に影響はありません。

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そしてようやく完成した白い髑髏だったのです。ちなみに木工用ボンドを使うと逆に剥がすのが大変なくらい強力です。ポリイミドテープにダメージが行かないように慎重に剥がします。

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こちらはジャックオーランタンです。先日弊社のオフィスがあるSHAREにてジャックオーランタンの3Dプリントを行っていたので、弊社でも作ってみました。
たまたまオレンジ色の樹脂ストックがあったのでピッタリです。

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フタもしっかり3Dプリント。本体が約5時間、フタが約1時間程度の造形時間です。

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SHARE(CubeX)製ジャックオーランタン(左)と、弊社(MF-1050)製ジャックオーランタン(右)です。
まず樹脂の色が違います。イメージとしてはCubeX製の色の方が雰囲気があって良い感じですね。

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続いて垂れについてですが、CubeXの場合は垂れ落ちた樹脂が糸状に出ています。

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MF-1050も細かくは垂れていますが、CubeXほど酷くはありません。

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フタを重ねたときボディーとのクリアランスにも違いがあります。

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フタの裏側、第1層目の構造にも違いがあります。

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次に重さですが、これは設定に依存するので比較する必要もないのですが、一応。

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ノズル径を細くすると造形時間は多くなりますが、使用する樹脂の量を節約できます、更に内部密度を10%にしてやっているため軽量化されていると推察できます。

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髑髏コンビは2人合わせて78グラムでした。
他にも色々なハロウィングッズを3Dプリントしてみたいと思います。