以前は3Dプリンター、光造形機、金属光造形など積層方式の製造を「ラピッドプロトタイピング」と読んでいました。
私が3Dプリンターを使い始めた2007年頃はどこの書物を見てもRP技術が云々、RP機器の最前線…などの用語が飛び交っていました。
しかし最近は「ラピッドプロトタイピング」ではなく「アディティブマニュファクチャリング」AM(付加製造)と呼ばれることが多くなっております。
その理由は最近の3Dプリントや光造形による造形品の精度が飛躍的に向上していることにあります。
ラピッドプロトタイピングは敏速な試作を意味する言葉ですが、造形品の精度向上により試作品としてではなく、それを製品として使用するケースが多くなってきているため、試作という言葉を使わなくなっていると推察されます。
デジタルファブリケーションの発展により、金型による製品製造を行わなくても、つまり大きな投資をしなくてもカンタンに高精度な製品が作れてしまう時代だということです。
フルカラーのプラスチック3Dプリントが当たり前になれば、今までに見たことがないような配色のプラスチック製品が店頭で販売されることでしょう。
今まで金型という概念に縛られてデザイン性を失っていたプラスチック製品の形状は自由になり、そのデザイン性に付加価値が生まれてくるのかもしれません。
もともとデータに対価を払う習慣がない日本でも、データやデザインにこそ大きな価値が認められる逆転劇が起こる可能性も秘めています。
アディティブマニュファクチャリングが一般的になるためには、もちろんプリントスピードの飛躍的な向上も必要になってきます。
しかしこれも時間の問題でしょう。数年前の3Dプリンターと比較して現在の3Dプリンターは造形スピードが格段に違います。
ラピッドプロトタイピングがアディティブマニュファクチャリングに変化し、次はどのような名前に変わるのでしょうか?
それともアディティブマニュファクチャリングを越える新たなる革新的製造方法が開発されるのでしょうか?今後のものづくりの展開がとても楽しみです。