マンション内ライトカバー3Dプリント製作
3Dプリント品画像(画像:お客様ご提供)

マンション内ライトカバー3Dプリント製作

廃盤品複製は弊社の得意案件

今回は弊社が最も得意としている複製案件です。
とある札幌市内のマンション内壁面にライトカバーの何箇所か取り付けられているのですが、そのうちの1箇所を、引っ越し業者が誤って破損させてしまい、更にこのカバーは廃盤品でしかも海外から輸入した特殊なカバーのようで、現在入手することは極めて困難ということで、今回3Dプリントで製作できないかご相談を受けました。

マスターモデルは石膏製で割れやすい素材ですが、肉厚が10mm以上もあり、ずっしりとした重さが感じられるものでした。

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お客様から送られてきたライトカバー写真①
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お客様から送られてきたライトカバー写真②

御見積の段階でクライアント様から採寸写真を送っていただき、仮3Dデータを作成しつつ御見積のシミュレーションを行いました。形状的に3Dプリント可能で、光硬化樹脂で製作しても十分な重さになることが確認でき、お客様から製作のご指示をいただきました。

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SolidWorksでデザインしたライトカバー

3Dデータ製作にあたり、破損していない実物1つお借りして、緻密に採寸を行いました。
外観形状は、球面形状であるものの、各所でエッジが立っている形状のため、比較的採寸しやすい形状でした。
SolidWorksでモデリングを行いましたが、マスターモデルは3D-CADからモデリングされたものではなく、手で削ってモデリングされたモデルであるため、どうしてもパラメトリックに真似できない部分が生じてしまいます。可能な限りマスターモデルに近づけるべく、モデリングを行いましたが、再現できないラインが1本だけ発生。
裏側の見えない部分は組み合わせ部品の兼ね合いもあり、寸法と形状の再現性を追求してモデリングを行いました。

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3Dプリントデータ外観
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3Dプリントデータ内部のサポート

ちょうどPhenomLで造形可能な大きさで、通常このような大きな造形品をプリントした後は例外なく写真撮影を行うのですが、何故か今回は写真撮影を行っておらず、さらには塗装後の完成の写真撮影すらしないまま、納品してしまうという、筆者泣かせな仕事をしてしまいました。というわけで3Dプリントデータ写真掲載で代用させていただいております。
内部はサポートだらけで、しかもワークサイズの大きさに比例してサポートが太いので、3D造形後のサポートの切断がとても大変でした。

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SolidWorks上での塗装治具シミュレーション

今回白いレジンで3Dプリントを行いましたが、表面をつや消しホワイトで塗装しました。マンション内でも陽に当たる場所であれば、黄ばむ可能性があるため、綺麗な白をキープするためです。その塗装のために塗装治具まで3Dプリントで製作。形状的に重心バランスが取りづらいため、3D-CADで重心バランスも見ながら、治具づくりができるのはデジタルファブリケーションの大きなアドバンテージです。

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既存品と3Dプリント品との比較(画像:お客様ご提供)

ということで、納品後にクライアント様にご協力いただき、比較写真と取り付け後の写真をご提供いただきました。クライアント様のご協力に深く感謝申し上げます。左=既製品、右=3Dプリント品

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既存品画像(画像:お客様ご提供)
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3Dプリント品画像(画像:お客様ご提供)

今回マスターモデルは石膏製で、複製品は光硬化樹脂製で素材は異なりましたが、製品の重量感はほぼ同じで、光硬化樹脂製でありながらかなり重量があり、実際3Dプリントを行う際にはモデルに加え、ラフトやサポート材も含まれるため、さらに重くなりますが、何千回もリフトする弊社の光造形機のパワーを思い知らされました。

モデル自体がかなりの重量を持つため、塗装作業にも相応の工夫と体力を要しました。

表面特性も似ていて、マスターモデルの石膏も今回の光硬化樹脂も似ている快削性があり、サンドペーパーで簡単に形状を整えることができます。
クライアント様から「想像以上の仕上がりに満足しております」というお言葉をいただきました。