本日は技術用語解説シリーズ大2弾、専門用語を噛み砕いて解説し、一般ユーザーの方々にも設計をご理解して頂く記事です。
タイトルの通りお題は「フィレット」です。フィレットを簡単に言うと、角を丸めることです。
大根の煮物をつくる時に、角を面取りしますよね?プラスチック製品その他製品に関しましても、角を丸めて指で触った時に、触り心地を良くするものです。
丸みがあるものは触り心地が良く、柔らかい印象になるのに対して、角張ったものは攻撃的で鋭い印象を与えます
フィレットは単に触り心地だけではありません。大量生産する上ではとても重要な役割も担っています。
大量生産する場合、必ず必要となってくるのが金型です。金型はボールエンドミルという刃物で深く削られて行きます。
しかし、このボールエンドミルも、削る深さには限界があります。一般的に適正な深さは、切削抵抗なども加味すると刃物直径の3倍の深さだと言われております。
つまり製品の厚みが厚くなればなる程、金型の削りは深くなります。その分エンドミルは太くなり、太くなるということは丸み(R)も大きくなります。
例を示します
製品の底にR6mmのフィレットを付けたとします。
この場合、製品の厚みは何mmまで許容されるか?
Rは半径ですので直径表示にするとΦ12のボールエンドミルを使います。
前述しました通り、適正な切削深さは刃物直径の3倍になりますので、
切削深さ(製品の厚み)=3✕12=36mmとなります。
まとめ
フィレットは単に手触りを良くするためのものではなく、大量生産時に必要となる金型製作の上でも重要な役割を担っている。