ムトーエンジニアリング社3Dプリンター用水溶性サポート材発売開始

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以前よりムトーエンジニアリングから3Dプリンター用の水溶性サポート材が発売されるという噂が出ておりましたが、今月1日から正式に発売になりました。
昨今の熱溶解積層法3Dプリンターは、同じ素材でサポート材を設定しても剥がれやすくソフト上で設定できる機種もいくつかありますが、水溶性のサポート材を使う事によって手が入らないような場所にサポート材を設定して除去することができます。
以前Dimension Eliteという700万円くらいの3Dプリンターを使っていましたが、その時はモデル材もサポート材もABSでして、サポート材のABSは透明な茶色の脆い材料でした。アルカリ溶液を入れた超音波洗浄器で溶ける素材でしたが、今回ムトーエンジニアリングから発売される素材はPVA(ポリビニルアルコール)という素材です。
無論デュアルヘッドであるMF-2000用のフィラメントです。
そしてサポートできる素材はPLAのみでABSはサポートできません。
しかしながら水やお湯に漬けるだけでサポート材だけが溶けていくこと、またその溶液はそのまま排水口へ排水可能というのはとても魅力的です。

サポート材を効率良く除去する方法としては、水に漬ける前に手で剥がせるサポート材は予め除去しておくことが重要です。
サポート材は1時間程度水に漬けておくだけで表面が軟化するようです。その時点で除去できれば除去し、除去できない場合は48時間(2日間)程度漬け置きしても構わないようです。

以前使用していたABS製サポート材もそうでしたが、水溶性ってことは水に弱いです。
湿気が多い季節なら外気に放置しておくだけでもどんどん水分を吸います。メーカー推奨はフィラメント開封後30日以内に使い切るでしたが、このPVAフィラメントも相当湿気には弱いはずですので、防湿庫や乾燥剤を上手に使ってPVAフィラメントを高品質のまま使用することをオススメします。

これまであまり注目されてこなかった熱溶解積層法によるサポート材ですが、今回大手であるムトーエンジニアリングが正式にサポート材をリリースしたことにより、今後デュアルヘッドの熱溶解積層法3Dプリンターはオプションとしてサポート材があるのが当たり前になるのかもしれません。今までオーバーハング形状を気にして自由にモデリングができなかったモデルなど今後は何も気にすることなくモデリングできるようになる人もいるのではないでしょうか?