当ブログでは度々取り上げられていますが、精密機器部品は廃盤になっても便利な製品が多く、廃盤製品を壊れてもなお愛用し続ける関係者も多いかと思います。
今回も破損してしまった精密機器部品の再生プロジェクトです。弊社では日常的にこのような廃盤品の複製や再生プロジェクトを手がけておりますが、久々にブログ掲載許可が出たので掲載してみます。
部品の先端は大きく破損してしまっておりますが、クライアント様から仕様をお伺いして、想像しながら再生していくのがいつものパターンです。
仕様としては左側の内側には雌ネジが切ってあり、その構造を透明化したのが次の写真です。反対側(右側)はゴムチューブにはまる構造で水漏れは許されない精密な精度を要求されております。
ネジはねじ山の大きさやピッチが重要なのでスペアパーツをもらって厳密に計測させて頂きました。
0.1mm単位での微調整を施して全体の寸法を決めて3D化して行きます。
相手側の部品もお借りしてモデリング。アセンブリを作って干渉しないかをチェックします。
そしてコチラが完成した3Dプリント複製品です。アクリル樹脂による光造形で仕上げておりますので寸法精度・表面精度共に抜群です。
新旧比較写真。破損してどれくらい欠けていたか今になってわかります。3Dプリント品が新品に見ますね。
注射器のポンプを使って圧力をかけ、水漏れするかの実験を行いましたが水漏れは全く無く完全な部品複製ができました。
今回は3Dデータを製作する費用も発生しておりますが、一度データ化しておけば、次回は3Dプリント費用のみで部品作成できますので、是非リピートして頂ければと思います。