猫ちゃんの悪だくみを防止する3Dプリント製品をデザイン

cat_hole_lid_3d_print_01

某お宅には猫ちゃん専用の穴が設けられております。ココは階段下のスペースにつながっており、ネコルームでもありつつ、住人のストックルームでもあります。
前置きが長くなってしまうのですが、このお宅ではSECOMを導入しており、外出時は別にある8畳程度の猫専用部屋にネコを入れてSECOMロックをかけるのです。
猫専用部屋も広々としているのですが、猫ちゃん的には家中を徘徊して自由に過ごすのが好きなわけです。

cat_hole_lid_3d_print_02

なので住人が外出しようとすると、その雰囲気を察して部屋に連れて行かれるのを嫌って、穴に入って隠れてしまいます。
そこでこの猫ちゃん専用穴にフタを設けようと考えついたわけです。もちろん常時フタをしているわけではなく外出時にネコが悪だくみして隠れないためのフタです。

cat_hole_lid_3d_print_03

SolidWorksでフタをデザイン。実際に穴をノギスで採寸したところ±2mmくらいの寸法精度(製品としては精度が悪すぎですが建築物ってこんなもの?)
そんな精度を加味しつつシックリはまるフタをデザインしてみました。

cat_hole_lid_3d_print_04

今回はワークサイズが大きいためMF-2000を使って3Dプリント。

cat_hole_lid_3d_print_05

更に今回の形状にはオーバーハングがあり、PVAによるサポートも利用しました。

cat_hole_lid_3d_print_06

15時間ほどかかって3Dプリント完了。久々に同心軌跡の造形なので造形目が綺麗です。

cat_hole_lid_3d_print_07

問題はサポート材(PVA)がちゃんと中で働いているか?ですがちゃんと内部で支持してくれていたみたいです。

cat_hole_lid_3d_print_08

大雑把な部分のサポート材はラジオペンチで簡単に除去できたのですが、PLAに直接触れる部分は密度が高い状態になっているので水に沈めて溶かします。
PVAは水だけで除去できるのでとても便利です。一部のサポート材は超音波洗浄器の中に入ったアルカリ溶液で分解させる面倒なものもあります。

cat_hole_lid_3d_print_09

水に浸けておいて9時間放置した状態です。PVAがどろどろに溶けています。

cat_hole_lid_3d_print_10

早速穴にはめてみました。シックリはまる絶妙なはまり具合い(^o^)

cat_hole_lid_3d_print_11

一体感ハンパないピッタリさです!取っ手も付いているので人の手で簡単に外すことができます。

cat_hole_lid_3d_print_12

猫ちゃんがいつもと違うことに気付いたようです(笑)

cat_hole_lid_3d_print_13

住人在宅時はちゃんと穴をオープンにしてます♪
猫ちゃんから文句を言われますが、これも猫ちゃんをSECOMで守るため(;´∀`)

このように3D-CADさえあれば存在しない建材をゼロから設計して3Dプリントすることも可能です(・ω<)