ストラタシスジャパンさんへ訪問してきました

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4月21日、東京のストラタシスジャパンさんのショールームに行ってきました。

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広々としたショールームにはFDM方式の3Dプリンターから、Polyjet方式の3Dプリンターまでストラタシスさんで販売されているひと通りの3Dプリンターが展示されております。

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まずはFDM機から紹介しますと、一番のエントリーモデルがこの「mojo」です。次に紹介するUprintよりも安価で造形範囲の狭いモデルです。
エントリーモデルとは言っても企業向けですので庫内を保温し安定した造形ができるのは、傘下であるMakerBot製のReplicatorとは格が違います。

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mojoで3Dプリントしたサンプルです。下にABS製のファンデーションボードを使うのはUprintやDimensionと同じですが、サイズが一回り小さいです。

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コチラがUprint、Dimension系の3Dプリンターを切り取った小さいサイズって感じですね。モデル材とサポート材が分かれている所はDimension系と全く同じです。
ちょうど展示会で配布するサンプルを造形中でした。モーター動作音などDimensionと全く同じです。

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Uprintはここにある通り、最大で9色の3Dプリントが可能です。

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左側がDimension、右側がFortusです。どちらもFDM3Dプリンターのフラグシップモデルと言ったところでしょう。特にFortus系はABSの他にポリカーボネートやナイロン、ASAなど工業用プラスチックを3Dプリントできる万能なプリンターです。
Dimensionは、弊社代表の田村が2007年から2013年まで使用した馴染みのある3Dプリンターです。

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次にpolyjet方式の3Dプリンターの紹介です、こちらは中堅機であるObjet30シリーズ。左がObjet30 Pro、右がObjet30 Prime、外観や造形範囲は同じですが、Primeはゴムライクなども造形できる特徴があります。

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polyjet方式のフラグシップモデルがObjet500です。造形範囲も広くカラーと様々な柔らかさをプリントできる強力な3Dプリンターです。

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ちなみに材料は機械の右側にこの様な感じでセットされております。

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カラーは3色までセットすることが可能でその3色の組み合わせで様々な色を表現することができます。厳密にはフルカラーではありませんが多くの色表現が可能です。
それと同時に色々な柔らかさ表現も可能となっております。

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ここからは主にpolyjet方式で3Dプリントしたサンプルを紹介していきます。目を引いたのが真ん中のアニマルキューブ

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表面が極限にまで磨かれております。磨きの作業だけで相当な人件費が…でも綺麗!

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透明素材を使った3Dプリントといえば何といっても臓器模型!白濁して濁っている部分はサポートを立てた部分、サポートを立てる立てないでここまでハッキリとした境界ができてしまうため、均一な仕上げにする場合は全ての面にあえてサポートを立てて、粗い表面状態から鏡面へ磨き上げるようです。考えるだけで気の遠くなるような作業です。

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3Dプリンターならではの形状がたくさんあります。透明感のある仕上がりなどはpolyjet方式ならではで、FDM方式では実現できない細かな形状もプリント可能です。

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実際の商品開発案件の展示として、柔軟剤の注ぎ口や掃除機のヘッド部品、そして樹脂製金型(樹脂型)の展示があり、特に樹脂型で実際に成形しているのには驚きました。

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代表田村が元モールドデザーナーということで、金型は絶対に見逃せないアイテムです。
驚くのはこの樹脂型で実際に成形していることです。樹脂型に樹脂を流して樹脂同士がくっついてしまうと思うのは単なる先入観や固定概念で、型は光硬化性の樹脂です。成形材料である熱可塑性の樹脂とは性質が異なり、これらの樹脂同士がくっつくことは無いようです。確かに金属製の金型よりはショット数が少なく型が使えなくなってしまいますが、多品種少量であれば、実際に金属をマシニングセンターで加工するよりも安価に金型を作ることができます。
ちなみに樹脂型は入れ子として使うだけですので、実際の成型では周りは全て金属となります。
今回展示してあった樹脂型は、射出成型用金型と、ブロー成形用の金型の2種類が展示されておりました。

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こちらはプラスチック容器のフタですが、polyjet方式は素材の柔らかさまで設定できるため、実際にモックアップから使用感を確かめて実際の製品柔らかさを決めることができます。

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このようにぐにゃぐにゃ曲げることができます。

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メガネモックアップ、レンズの部分は磨けば透明感も出るかと思います。

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実際にかけてみました。この実際に使える強度がポイントです。3Dプリント品の良さは、成形品同等強度で実試験が可能な所ですよね。

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月刊CGWORLDの記事になるくらい精巧に作られたメカモデル!

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ゴムチューブの所はぐにゃぐにゃ曲がるのは本当にリアルな仕上がりです。発注主も想像以上の出来に驚いていたそうです。

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コチラはマンモスをイメージした芸術作品のようです。大きさもかなり大きく製作費用もかなりのものだと思いますが、予算さえあればこの様な芸術作品も作ることができます。

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ボトルシップのように見えて、ボトルごと3Dプリントしています。こんなボトルシップは見たことがありません。

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車の模型と、芸術作品、アイデア次第で無限の可能性を秘めていますね。

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車といえば模型だけではなく実際に使用できる強度を持つモックアップも製作できます。ここまで試作が完璧にできるなら自動車メーカーも3Dプリンターを導入しますよね。

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北海道縁のものといえば、こちらはSNOWミク!北海道では良く見かけますがまさかここで見かけるとは思いませんでした。

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ダイコムデータを活用した3Dプリント、右の頭蓋骨モデルはFDMによる3Dプリントで作られております。

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コチラのフィギュアは生で見ると物凄く細かな部分まで再現されていて驚きます。polyjet方式

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右の黒い物体はギアボックスの試作、工業用プラスチックを用いたFDM3Dプリントプリントです。

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ロボットの分野で3Dプリンターがよく使われますが、いずれロボットが3Dプリンターを操作する日も来るのでしょうか?

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展示会等でよく見かける本当に回るモンキーレンチですが、超ビッグサイズです!もちろんとても重いです(汗)

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こちらはCFRPやGFRP用の型です。カッコイイカーボン部品が展示されておりますが、3Dプリンターで型を作ると面白いことができます。私もちょっと勉強になったのが次です。

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中間が太くなっているパイプ部品、普通にファイバーを貼って成型すると、中の型が外れなくなってしまいます。絶対に型から外れません。
そこで中の形状を水溶性のサポート材で3Dプリントし、それを利用してカーボンファイバーを貼り、オートクレープで焼き固めた後、水に沈めて中の型を溶かしてしまうという成形方法です。
サポート材ってモデル材を支持するだけの役割じゃないのですね、使い方次第ではこういった使い方もあります。ロストワックスならぬロストサポートといった所でしょうか?

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コチラはシャワーヘッド、透明素材を使うと中の水流までもが可視化されそうです。

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ストラタシスといえばpolyjet方式のイメージが強いのですが、FDM機にも力を入れていまして、機械的な部品であるとか機械的特性が必要なものには工業用プラスチックが有効ですし、FDMはある程度の角度までならサポートを付けなくても造形することができます。(polyjet方式はほんのすこしのオーバーハング形状でもサポートが付く)精度はpolyjet方式の方が高いですが、FDMもまだまだ戦闘力の高い3Dプリンターであると言えますね。

ストラタシスジャパン様ありがとうございました。