熱溶解積層法式3Dプリンタの品質はスライサーによって決まると言っても過言ではない

スライサーとは3Dモデルを薄い輪切りにスライスしてGコードというプログラムに変換するソフトのことです。

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前回熱溶解積層法式と光造形方式による3Dプリントの精度差について解説致しましたが、今回は同じ熱溶解積層法式でも、スライサーによって見た目や樹脂の充填にどれくらい差が出るかの検証です。
3Dプリンターの精度はハードウェアも重要ですが、それ以上にGコードを吐き出すスライサーソフトの性能も重要です。

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(上)atom + KISSlicer
(下)MF-1050 + Slic3r
こういった場合、同じ3Dプリンターを使ってスライサーだけを変更するべきなのですが、3Dプリンター各機種のノズル径はφ0.1mmの差しかありませんので、今回は気にしないこととします。
結果から言ってしまえば樹脂充填性能は圧倒的にKISSlicerが良いです。以前Slic3rで薄い壁がある箱を3Dプリントしたことがあったのですが、壁が0になり形にならない時があったり、充填密度100%の設定にしても30%くらいしか充填してくれなく強度が不足してしまうことも多々ありました。
その点KISSlicerはそう言った充填トラブルが無く、思った通りに動いてくれる万能なスライサーです。
最近ではMF-1050もKISSlicerで生成したGコードで動かしております。
他にsimplify3dというスライサーもありますが、まだ試していないため性能はわかりませんが、噂ではシングルノズルによる同素材サポート設定でもサポート部がモデル部から除去しやすいという話は聞きます。KISSlicerで同じサポート実験をしてみましたがKISSlicerでもわりと除去しやすかったのでsimplify3dの購入になかなか踏み切れないでいる現状でした。機会がありましたら検証してみたいと思います。

弊社では案件に応じてスライサーを使い分け、高精度かつ高品質な熱溶解積層法式3Dプリントを実現しております。3Dプリンターは単に持っているだけで完璧な製品が完成するわけではありません、数多くの3Dプリントノウハウが必要になってきます。長年3Dプリント業務をしてきたエンジニアが所属する弊社だからこそできる匠の3Dプリントで皆様のものづくりを応援させて頂きます。ご予算に応じて工業用プラスチックをプリントすることも可能ですので、熱溶解積層法式による3Dプリントは弊社にお任せ下さい。